「インテリアコーディネーター」は今や誰もが知っている職業ですが「ホームステージャー」という職業がここ数年注目を浴びているのは知っていますか?よりよい暮らしの提案をするという点では似ていますが、それぞれに目的や役割が違っています。それぞれの違いが分かれば、自分がより何を学びたいかが見えてくるかもしれません。
インテリアコーディネーターとは
日本でインテリアコーディネーターの仕事が普及してきたのは1980年代からです。和室中心の家から、洋間を使ったマンションや一戸建ての家が増え、どうやったらおしゃれな空間をつくれるのか人々の関心が高まりました。そんな要望に応えるために生まれたのがインテリアコーディネーターの仕事です。
インテリアコーディネーターの役割
現在のインテリアコーディネーターは、個人の家に留まらず、依頼主の要望や予算を的確に聞き取り、空間の最適なコーディネートを提案するのが主な仕事です。内装の建材、家具、照明器具、雑貨などに精通し、全体をコーディネートするセンスが問われる仕事でもあります。
インテリアコーディネーターの活躍できる場所
よりよい空間をプロデュースする仕事のため、住宅、モデルハウス、商業施設、飲食店、ホテル、病院、オフィス、公共施設など、活躍する場は多岐にわたっています。それぞれの場所で適切なインテリアをアドバイスするとともに、さまざまな室内装飾を組み合わせて空間全体をプロデュースします。
ホームステージャーとは
次はホームステージャーについてです。なかなか耳慣れない言葉ではありますが、一体どんな仕事なのでしょう。
ホームステージャーの歴史
ホームステージャーとは1972年にアメリカで誕生した職業です。住宅を住み替える習慣があるアメリカでは中古住宅の売買が盛んで、当時バーブ・シュワルツさんという不動産仲介業者の仕事をしていた女性が、家具小物をしつらえて中古物件を薦めたところ、短期間で売却できた経験を基に誕生した職業です。
ホームステージングの「ステージング」には「演出」という意味があります。またインターネットの普及により、ホームステージングを行った物件を多くの人が閲覧できるようになり、一気に広がっていったといわれています。間取りだけで何もない空間を見るだけではなかなか暮らしのイメージはつきませんが、家具等をしつらえ、おしゃれに演出することで、短期間で中古物件を売却できました。
日本でのホームステージャーの役割
日本でホームステージングの仕事が確立されたのは2017年とごく最近のことです。日本ホームステージング協会を立ち上げた人によって「住まいの価値や暮らしの質を高めること」と定義されたこともあり、アメリカでのホームステージングの活動範囲をさらに広げた独自の展開を見せています。日本では中古住宅の売却に加え、賃貸住宅においてもインターネット上で画像を見せることで、実際の暮らしをイメージしやすくし、物件に住むメリットを提案する活動も行っています。
また家具などをしつらえるだけでなく、依頼主が引っ越しをする際に、あふれかえった物を片付け、掃除をし、新たな住まいで快適に暮らすためのインテリアをしつらえるトータル的なサービスも行っています。
インテリアコーディネーターとホームステージャーの違い
2つの職業の違いのイメージが少し湧いてきたでしょうか。ここからもう少し掘り下げていきましょう。
それぞれの役割の違い
・インテリアコーディネーター
その言葉のとおり、依頼主の要望に応えられるように、さまざまなインテリアの要素をコーディネートして最適な空間をプロデュースするのが仕事です。
・ホームステージャー
対象物件の本来の価値を高め、興味を持つ人を増やし、空間をしつらえることで実際に暮らすイメージを見せながら、人と物件をつなげて契約成立までの期間を短くすることが目的です。さらには掃除や補修も含めたトータルサービスを行っているのも異なる点です。またバーチャルの技術が進化したことによって、コストをかけずに人々を呼び込む効果を得ています。
どんな知識が必要?
インテリアコーディネーターの場合は、室内装飾にまつわる知識や価格、特徴を熟知していることに加え、依頼主に空間の全体像を分かりやすく提案するために、図面が描ければ便利ですし、建築士や施工業者とやり取りするため、建築関連の用語や技術の知識も求められます。
ホームステージャーは、物件の成約率を高めるために、インテリアに関する知識はもちろん、不動産売買に関する知識が必要です。バーチャルで物件を見せることも多いため、写真映えする撮影テクニックや的確に情報を伝える広報的な視点も重要になります。さらに生前整理や遺品整理を行うこともあるので、それらの知識も必要です。
インテリアコーディネーターの資格を持った人がさらに必要なノウハウを習得することで、ホームステージャーになれるといわれています。
日本でのホームステージングの普及率はまだ低く、空き家や空き物件が多い現状を考えると、今後もまだまだ需要がありそうな職業だといえそうです。インテリアコーディネーターとホームステージャー、それぞれの特性を知り、自分にできることから一つずつ学んでいきましょう。