インテリアコーディネーターの年収。経験や年齢によってどう変わる?
クライアントの意向に合わせて、壁紙や照明といったインテリア全体をコーディネートしていくインテリアコーディネーター。クリエイティブな職業で憧れる方も多い職業ですが、実際の年収が気になるところです。そこで今回はインテリアコーディネーターの年収と、経験や年齢によってどう変化するのかをご紹介していきます。
インテリアコーディネーターの平均年収
住宅だけでなく、店舗やオフィスなどでも活躍するインテリアコーディネーター。実際の平均年収は300万円から500万円台です。月収に換算すると平均で23万円から31万円前後。この賃金は厚生労働省が発表した「平成30年賃金構造基本統計調査の概況」で記載されている平均賃金と同じぐらい、または上回っています。
また、専門的な知識が必要なので「大卒のほうが強い」「大卒だと年収が高い」ということでもありません。そして、インテリアコーディネーターとしての知識と経験がある場合は、転職時に即戦力になるので年収が高くなる傾向があります。先ほどご紹介した平均年収に200万円の幅があるのは、知識や経験量だけでなく業種にも関係しています。インテリアショップなどで販売員として働く場合は年収300万円台前半が多く、ハウスメーカーなど設計から関わる場合は年収400万円前半です。月収で言うと約8万円の差があります。
しかし、会社や業務によっては、売り上げのインセンティブが上乗せされる場合もあるので、必ずしも販売業務の年収が安いわけではありません。また、経験豊富なフリーランスのインテリアコーディネーターは、1つの仕事の単価が上がりやすいため年収が400万円を超えてくることが多いです。
インテリアコーディネーターの年収の推移
住居に関する日常生活での実体験や、仕事の経験から提案するアイデアを増やし、信頼にもつながる世界です。ですので、年収でみると上がりやすいのはその道のベテランである50代。年齢とともに年収が上がる傾向が強い職業です。また、経験値にプラスアルファで「リフォームを行う50代の客層ともリンクして契約数が伸びる」なんてことも起こり得ます。
もちろん、なんとなく50代になっただけでは年収は上がりません。生活様式が移りゆく中で「どんなシステムが家の中にあれば便利なのか」「このタイミングでこれが欲しかった」といった経験が生かされるので、何歳になっても常にアンテナを張っておく必要があります。
したがって、30代40代でもそこを理解し多くの生活経験を経て、知識と信頼につなげることができれば自然と良い提案ができるでしょう。顧客の満足度が上がれば若いうちから年収を上げることも可能です。とはいってもやはり、インテリアのコーディネートはクライアントにとっても一生ものなので、経験豊富で信頼のおけるコーディネーターに需要があるのが現状です。
フリーランスのインテリアコーディネーターの年収
インテリアコーディネーターとして長く会社で勤めていると、実績や人脈が広がります。「自分の実力で仕事したい」「自分の理念を掲げた活動がしたい」という方はそのタイミングでフリーランスのコーディネーターに移行を考えるのではないでしょうか。独立してもクライアントありきの職業なので、会社に属していたときの実力やコネクションがダイレクトに数字に現れる世界。
また、所属していた時は不要だった営業活動なども積極的に行う必要がでてきます。今まで以上にコミュニケーション能力や仕事に向き合う姿勢が問われることは間違いないでしょう。実際にフリーランスになって年収1000万円になった方もいれば、逆に大幅に減った方もいますが、平均では400万円から700万円と言われています。
インテリアコーディネーターの年齢別年収
年収が一番上がりやすい時期は50代であることは理解できましたが、20代から40代の年収が気になるところですよね。専門学校や大学を卒業してすぐの20代前半(1年目〜3年目)は約220万円です。20代後半(4年目〜9年目)は220万円〜270万円。30代(10年目〜)で270万円〜330万円とコンスタントに上がっていきます。
一番上がる50代(30年目〜)で、350万円〜450万です。知識や人脈も持ち合わせているので、通常は定年退職する60代になっても個人で年収200万円〜400万円を得られる人材になっています。すでにインテリアコーディネーターとして40年以上のキャリアがあるのは、ちょっとした誇りです。決して楽な仕事ではありませんが、好きなことを一生仕事にしていける職業。専門的な知識は一生の財産ですよ。
学歴は大きく影響せず、仕事の経験から得た知識とアイデア、生活の中での経験が生きる職業のインテリアコーディネーター。20歳代は年収200万円代と決して高い収入ではありませんが、年齢とともに年収も徐々に上がっていく職業です。また、実績が増えることでフリーランスとして独立も可能になり、年収を一気に上げることも夢ではありません。60歳をすぎても現役のコーディネーターとして収入が得られるのも魅力のひとつです。「手に職」の時代にはぴったりの職業ではないでしょうか。